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東京地方裁判所 昭和46年(借チ)2014号 決定

〔主文〕1 申立人が相手方に対し金三二九、〇〇〇円を支払うことを条件に、別紙目録(一)記載の土載地賃借権を東京都杉並区高円寺北三丁目三一番一七号桐生恒夫に譲渡することを許可する。

2 右譲渡がなされた場合、譲渡の日の属する月の翌月から本件賃貸借の賃料を一か月金一二〇〇円に改訂する。

〔理由〕一 本件申立の要旨

1 申立人は、昭和二九年七月一日相手方から別紙目録(一)記載中の土地(以下「本件土地」という。)を非堅固建物所有の目的で賃借し、現賃貸借の内容は同目録記載のとおりである。

2 申立人は、本件土地のうえに同目録(二)記載の建物(以下「本件建物」とい。)うを所有しているが、これを本件土地賃借権とともに主文掲記の桐生恒夫に譲渡したいが、右賃借権の譲渡につき相手方の承諾がえられないので、右承諾に代れる許可の裁判を求める。

二 当裁判所の判断

本件で取調べた資料によれば前記一の事実のほか、本件土地賃借権を主文掲記の桐生恒夫に譲渡しても相手方に不利となる虞れのないことを認めることができ他に、右譲渡を不当とする事由はない。そこで本件申立は後記の条件の下にこれを許可する。

鑑定委員会の意見の要旨は、「申立人に金二二八、一〇〇円の財産上の給付をさせるのを相当とし、その根拠として、本件土地の更地価格を3.3平方米当り金二〇万円、借地権割合をその七五、合計金三〇〇万円とし、名義書換料はその一〇%であるが、設定時一二万円の権利金が支払われており、この複利年金終価(二〇年、年六%)金二八七、五九二円中残存期間に対応する分(二〇分の五)金七一、八九八円を前記借地権価格の一〇%から控除すると上記のとおりとなる。」というにある。

当裁判所は、右鑑定委員会の意見に昭和四六年三月三一日土地鑑定委員会発表による本件土地附近の公示価格を参照して現時点の本件土地の更地価格を3.3平方米当り金二四万円、借地権の一般的取引価格をその七五%である金一八万円、合計金三六〇万円と認める。ところで、申立人は、設定時は金一二万円の対価を支払い、右対価の複利現価(年六%一六年)は金三〇四、〇〇〇円であり、したがつて、申立人は本件譲渡により金三、二九六、〇〇〇円の利益を得る。しかして右譲渡利益中には、公平上賃貸人に還元すべき取分が含まれているものというべく、その額を本件賃貸借の経緯、鑑定委員会の意見を参照して、前記譲渡利益の一〇%にあたる金三二九、〇〇〇円(千未満切捨て)と定める。

地代については、紛争中であるので、この際円満な借地関係を形成するため相当額に改訂すべく、鑑定委員会の意見および前記地価の上昇を考慮し一か月3.3平方米あたり金六〇円(合計金一二〇〇円)に定める。(筧康生)

目録 (一)

1目的土地 東京都武蔵野市吉祥寺北町一丁目六九六番三

宅地 247.93平方米のうち、

66.11平方米(二〇坪)

2賃貸人 相手方

3賃借人 申立人

4目的 非堅固建物所有

5期間 昭和二九年七月一日から二〇年

6賃料 一か月金一、〇〇〇円で供託中

目録 (二)

(建物)

東京都武蔵野市吉祥寺北町一丁目六九六番地三

家屋番号 六九六番三の一

木造瓦亜鉛メッキ鋼板交葺二階建居宅

一階 32.96平方米

二階 25.82平方米

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